職員インタビュー③
~福祉の世界で働くってどんなこと?~
ほうあんのぞみ 支援員 榎本結美さん
榎本結美さんプロフィール
様々な仕事を経験した後、障害者に関係する仕事に従事するようになる。
いつも笑顔。4人のお孫さんと遊ぶことが元気の源。
Q.どうしてこの職業を選んだのですか?
障害のある子をもつ知り合いから「障害者施設で働いてみない?」と誘われたのがこの仕事に就いたきっかけです。今から13年前です。その施設では知的障害のある利用者さんと一緒に自動車部品を組み立てる作業をしました。色々な個性の利用者さんがいて一人ひとり得意なことが違いました。みんなでそれぞれの力を出し合って作業することが楽しく、一日が経つのが本当に早かったです。でも、都合により退職することになりました。
その後、ある学校の教員補助の仕事に就きました。その学校の校内には障害のある生徒、また障害があるのではないかと思われる生徒がいました。生徒の中にはいじめられた経験のある子、生き辛い思いをしている子がたくさんいて、学校をやめていく生徒もいました。そのような色々なことを抱えて生きていく生徒と触れ合う中で障害のある人に直接かかわる仕事にまた関わりたいという思いに駆られました。
その後、ご縁をいただいて「ほうあんのぞみ」で働くことになりました。
今は、ほうあんのぞみの喫茶売店の運営、そこで働く利用者さんへの作業支援が私の仕事です。喫茶売店ではサンドウィッチやカレー、パイなどを作っています。
Q.この仕事の魅力を教えてください
仕事で心がけていることは笑顔でお店にいらっしゃるお客様に接することです。利用者さんへの作業支援では、利用者一人一人の個性を大切にし、得意なこと、本人のやる気が出ることをみつけて少しずつでもそれを伸ばしてもらえるようにしています。支援のポイントは「否定しないこと」。利用者さんが新しいことにチャレンジしたときには「すごい!」「やればできるじゃない!」と声をかけます。例え上手にできなくてもチャレンジしたことを尊重して声をかけます。
利用者Aさんは、最初床の掃除しかしていませんでした。他の作業をお願いしてもチャレンジしようとしませんでした。そんなAさんが、他の仲間が色々な仕事をしているのを見て、真似をしようとし始めました。そうなればチャンスです。やる気のでてきたAさんにやり方をゆっくり丁寧に教えます。例えばパンの袋入れ。最初は一緒にやりました。最初Aさんは力の加減がわからなくてパンを潰してしまうこともありました。繰り返し毎日やることで少しずつ上達し、今ではきれいにできるようになりました。パンの袋入れに自信をもったAさんはさらに他の作業にチャレンジしようと自ら動きます。その繰り返しです。Aさんは今では、商品の袋入れ、お客さんの帰った後の食器の片づけ、ゴミ出し、花の水やりなど様々な作業に責任をもって取り組んでくれています。
利用者さんには月に1回自分自身の目標を立ててもらっています。目標は人から与えてもらうのではなく、自分で考えることが大切だと思います。皆さん、できることが本当に増えています。利用者さんが毎日笑顔で活き活きしている姿を見るとやりがいを感じます。
Q.今後やりたいことについて教えてください
研修会等に参加してスキルアップし、学んだことを利用者さんの支援に生かしていきたいです。